会社の承継と譲渡制限株式の譲渡について

司法書士 廣澤真太郎
こんにちは。司法書士の廣澤です。

会社を承継するために、役員変更及び会社の所有者である株主も一緒に変更したいというケースについて、記事にしてみようと思います。

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まずは事前に専門家に相談

 

税理士への相談

休眠にしていて、特に資産もない会社の承継を行う場合には問題にならないかと思いますが、

株式の時価が相当な金額になる場合は、贈与税・相続税についての、事業承継税制の特例について検討したり、利用する場合は計画書を行政に提出したりする必要がありますから、事前に税理士に相談が必要です。

 

例えば、役員に先に就任してから3年以上後に株式を譲渡したほうが有利になる場合にあたるかなど、手順についてのアドバイスをもらいます。

国税庁:法人版事業承継税制

 

行政書士への相談

許認可を法人で取得しており、関係のある行政書士がいる場合は、役員を変更してい良いのかどうかについて確認が必要です。

 

例えば、建築業許可における経営管理責任者などが該当します。株主を変更してよいのかや、役員を退任させてよいのかについてアドバイスをもらいます。

 

司法書士への相談

会社を承継する場合は、役員を変更するとともに株式を引き受けるのが一般的ですが、役員の変更には登記手続が必要です。

 

定款と株主名簿をご準備のうえ、司法書士にご相談ください。

 

外国投資家に該当する場合は財務省に確認

株式を譲り受けする方が外国投資家(非居住者である個人、外国の会社、これらの者から50%以上出資を受けている本邦の会社等)である場合で、

 

国の安全にかかわるITやインフラ等の業種に投資を行う場合は、事前に財務大臣と事業所管轄の大臣に届出が必要です。

 

(例)

・外国投資家が、非上場会社のうち、届出が必要な業種(インフラ、ソフトウェア開発等)の会社株式を1株以上取得する場合

・外国投資家の関係者(法人の従業員など)を、届出が必要な業種の会社の役員に就任させることについて、株主総会で同意する場合

 

財務省:外為法における対内直接投資審査制度 ・ 投資を受ける側の会社用資料

 

 

役員の変更

代表取締役を変更する場合、次の書類をご準備のうえ、司法書士にご相談ください。

1.定款

2.別表2(同族の判定に関する明細書 又は 株主名簿)

 

加えて、一般的に必要な書類は次のとおりです。

1.就任する方の印鑑証明書

2.就任する方の本人確認書類のコピー

3.引き継がない場合は、新しい会社実印

 

代表取締役の変更登記完了後には、各行政に異動届が必要なので注意しましょう。

 

 

 

譲渡制限株式の譲渡

上記専門家に相談したうえで、株式の譲渡日が決まったら、会社法の規定に従って株式を譲渡します。

 

譲渡制限株式とは?

株式は原則として自由に譲渡できることとされていますが、定款で定めた機関の承認が必要であることを定めることができるとされています。※日本にある会社の99%はこの譲渡制限を定めています。

 

譲渡の流れ

 

譲渡を承認する場合

1.会社に対して、株主が譲渡承認請求通知

2.定款で定めた機関がその承認決定通知

3.株式の譲渡契約、株券発行会社は株券を相手に交付

4.株主名簿の書き換え

 

譲渡を承認しない場合

1.会社に対して、株主が譲渡承認請求及び不承認の場合の会社又は指定買取人による買い取り請求

2.定款で定めた機関が不承認の通知

3.会社が買い取る場合は買い取り通知と供託証明書を送付

4.株券発行会社の場合は、株主は株券を供託後、供託した旨の通知

5.株式の売買価格を株主と会社又は買い取り人で協議

6.協議が調わない場合は、裁判所に売買価格決定申立て

7.株主名簿の書き換え

 

注意ポイント

株券発行会社では、株主は株券を相手に交付しない限り、株式を譲渡したことにはなりません。

古い会社様の場合は株券発行会社のままになっていることがありますが、余裕があれば株券不発行会社にされることを推奨します。

 

最後に

株式は相続財産になります。

譲渡制限のついた株式が、相続人に全員に配分されていくのはその趣旨に反しますから、可能な限り生前に譲渡するか遺言で取得者を決定しておくのが好ましいですね。

 

また、譲渡制限付株式は目に見えませんが、課税対象です。

例えば、株主が死亡した際の時価が相当な金額となっている場合で、他に資産がなく、相続人の一人が認知症で遺産分割協議ができないというケースを想定した場合、

流動資産の承継がないのにもかかわらず、相続税の支払義務が発生することが考えられます。

 

このケースでは、お金を用意するのに相続人は大変な苦労を強いられるでしょう。

いずれにせよ、会社の承継の際には専門家への相談が必須ですね。

 

以上、役員変更についてお調べ中の方の参考になれば幸いです。

 

 

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