相続放棄のQ&A|基礎から注意点までわかりやすく解説

相続放棄をする前のQ&A

Q. 一度相続放棄をしたら撤回できますか?

原則として、一度受理された相続放棄は撤回できません。

ただし、詐欺や強迫など特別な事情がある場合に限り、取り消しが認められる可能性があります。

 

Q. 相続放棄をすると他の相続人に影響はありますか?

あります。相続放棄をした人は、最初から相続人ではなかったものとみなされます。

その結果、次順位の相続人に権利が移ります。例えば、子が放棄すると、親や兄弟姉妹に相続権が移る場合があります。

 

Q. 一部の財産だけ放棄することはできますか?

できません。相続放棄は「すべての相続財産」を対象とするため、「借金だけ放棄して現金は受け取る」といったことは認められていません。

そのような場合は「限定承認」という別の制度を検討する必要があります。

 

Q. 相続放棄前にやってはいけないことはありますか?

はい。相続財産を処分したり使ったりすると、「単純承認」とみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があります。

例えば、故人の預金を引き出して使う、不動産を売却するなどの行為は注意が必要です。

 

処分行為として、単純承認になりえるもの

① 形見分け

② 遺産分割協議・相続分譲渡

③ 債権の行使・債務(入院費用等)の支払

④ 入院給付金、手術給付金の請求・受領

⑤ 保険料の過誤納還付期の受領

⑥ 高額療養費の受領

⑦ 預貯金の解約・受領

⑧ 株主権の行使 (株主総会決議で議決権行使するなど)

⑨ 賃料の受領

⑩ 車の売却

⑪ 家屋の解体

 

Q. 相続放棄の費用はどれくらいかかりますか?

自分で手続きする場合、収入印紙(800円程度)や郵便切手代など、数千円程度で済むことが一般的です。

ただし、専門家(弁護士や司法書士)に依頼する場合は、数万円から十数万円程度の費用がかかることがあります。

 

Q. 相続放棄すべきか迷った場合はどうすればよいですか?

財産の全体像がわからない場合は、まず調査を行うことが重要です。

借金の有無や資産状況を確認したうえで判断しましょう。判断が難しい場合は、専門家に相談することをおすすめします。

 

Q. 相続放棄の熟慮期間3か月をすでに経過してしまっている場合

熟慮期間の伸長申立ても行っていない場合は、原則として、相続放棄の申し立ては却下されます。

しかし、最判において、次のような事情がある場合についてのみ、起算点の繰り下げを認めています。

① 被相続人の相続財産が、全くないものとして信じたこと

② 被相続人の生活状況や、相続人との関係、その他の状況から、相続財産の有無を調査することが著しく困難であったこと

③ 上記を信じる相当理由が認められること

 

もっとも、これらが認められるケースは非常に限定的であり、実際には証明が困難です。

そのため、熟慮期間経過後の申立ては「例外的な対応」となり、認められない可能性が高い点には注意が必要です。

 

Q. 再転相続について教えてもらえますか?

Aが死亡し、Bが相続人であったが、

相続放棄も単純承認もしないまま、Bが死亡し、Cが相続人となった場合などが典型例です。

CはAの相続権と、Bの相続権を承継していますから、そのどちらを相続するのか?についての判断が必要になります。

 

 

相続放棄をした後のQ&A

相続放棄をした場合でも、受け取ることができるものはありますか?

相続放棄をした場合でも、被相続人の相続財産ではなく、相続人の固有財産とみなされるものについては、

単純承認とならず、受領することができます。

 

ただし、判断が難しいものは、訴訟リスクがあるため、原則として受け取らないのが無難です。

ご不安な場合は、個別に司法書士などにご相談ください

 

相続放棄をしても、受け取ることができる可能性があるもの

① 相続人が、受取人となっている死亡保険金(受取人死亡の場合、再指定がなくても可)

② 死亡退職金のうち、「退職金規定」が定められており、民法とは全く違う順位・範囲が明記されているもの

③ 死亡退職金の根拠が、法律(国家公務員退職手当法、厚生年金保険法)で定められているもの

④ 遺族年金

⑤ 寡婦年金

⑥ 未支給年金

⑦ 死亡一時金

 

Q. 相続放棄後に、手元にある動産の管理についてはどうすればいいですか?

相続放棄をしても、現に相続財産を占有している場合には、次順位の相続人や、相続人がいない場合には相続財産清算人など、

正式に管理権を持つ者へ引き継ぐまでの間、その財産を適切に管理する必要があります。

 

具体的には、財産の価値を損なわないよう、現状維持に努めることが求められます。

 

Q.遺骨・遺品の引き取りを、強く求められているが、どうすればよいのか?

遺骨は、原則として、祭祀主宰者である場合を除いては、引き取る必要がありません。

 

祭祀主宰者である場合は、引き取る必要がありますが、埋葬を行ったとしても、相続放棄の効力には影響しません。

 

一方、遺品については、引き取る義務はなく、また、引き取ってしまうと今後の管理義務が発生してしまうので、引き取るのにはリスクを伴います。

 

 

Q. 被相続人の居宅である賃貸借契約・公営住宅の契約はどうなります?

賃貸借契約を解除することは、単純承認に該当する可能性があります。

 

配偶者が賃貸借契約を締結していて、そこに同居しているケースでは、配偶者短期居住権が成立するケースも考えられますが、

原則、住み続ける権限がないので、退去することになります。

 

実務上は、居住者が高齢で、退去が難しいこともあろ、事情を説明して、別個に賃貸借契約の再契約を行い対応していることもあるようです。

ただし、この方法は二重契約となりますから、そういった意味で問題の先延ばしにはなります。

 

公営住宅

公営住宅に居住する権利は、賃借権とは異なり、一身専属権的な権利とされています。

一身専属権的な権利とは、婚姻、離婚する権利のように、その本人にのみ帰属する権利のことです。

 

以上から、相続財産ではないので、相続放棄の効力に影響しません。

なお、配偶者の申し出によって、居住する権限を引き継ぐことになりますが、これは、固有の権利という扱いになりますから、同様に相続放棄に影響しません。

 

Q. 被相続人の口座から、葬儀費用や債務の支払いをしても良いのですか?

葬儀費用などについては、社会通念上相当と認められる範囲であれば、相続放棄に直ちに影響しないとされるのが一般的な考え方です。

もっとも、墓石や仏壇の購入などについては、相続財産の処分と評価される可能性があり、相続放棄への影響が問題となる場合があります。

 

また、葬儀費用のために被相続人の預金を引き出す行為が「相続財産の処分」にあたるかどうかについては、事案ごとに判断が分かれる可能性があります。

そのため実務上は、相続放棄を予定している場合には、可能な限り被相続人の預金に手を付けず、葬儀費用や債務については相続人の固有財産から支出する対応が取られることが多いです。

 

やむを得ず被相続人の預金から支出する場合には、後日の説明のため、支出の経緯が分かる資料や領収書を保管しておくことが望ましいとされています。

 

Q. 被相続人が所有している、携帯はどうなりますか?

携帯電話契約の解除、電話料金の支払い、携帯の処分は、いずれも相続放棄の効力に影響する可能性があります。

よって、手続きは保留するのが望ましいでしょう。

 

相続放棄と税金のQ&A

Q.相続放棄をした場合、相続税の申告義務はありますか?

相続人ではくなるため、申告義務がなくなります。

しかし、相続時精算課税制度を利用した経緯がある場合や、特定遺贈を受ける立場である場合は、申告する義務が発生する可能性があります。

 

 

参考:ケース別 相続放棄の実務ポイント-目的に応じた検討と放棄前・放棄後の対応- 単行本 – 2026/4/1 坂本龍治 (著)

 

 

 

 

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