離婚届とその見本

司法書士 廣澤真太郎
こんにちは。司法書士の廣澤です。

世間では離婚を後ろめたい事のように思う方が未だに多くいますが、離婚は通常、話合いを重ね、家族全員の未来を熟考したうえでの決断を経て成立するものであり、非常に前向きなものです。

このページでは離婚をする際の離婚届について解説していきます。

 

 

離婚届の見本

離婚届は各市区町村役場で配布されているのでそちらをご取得ください。こちらがその記載例になります。

 

離婚届の記載例(妻が元の名前に戻る場合):法務省

離婚届の記載例(夫が元の名前に戻る場合):法務省

 

 

離婚届の書き方

実際に記入する際のポイントを整理しておきましょう。

 

1.氏名、住所、本籍、父母の氏名

基本的な事項をまずは記入します。本籍がわからない場合には運転免許証のICチップを専用アプリで読み取ったり、戸籍謄本や住民票で確認することができます。住所欄には現在の住民票登録している住所を記載します。

 

離婚届と同時に住所等を変更される方で新しい住所地に届出する場合は、届書に新しい住所を記入し、同時に住所変更に関する届出(転居届)をしてください。

 

旧住所を記載してしまうと、戸籍の編製や役所の対応に大幅な遅れが生じるようです。

 

 

2.離婚の種別

協議離婚にチェックをします。(調停や審判による場合には調書は審判書をもとに記入します。)

 

 

3.婚姻前の氏に戻る者の本籍

元の戸籍に戻る場合・新しい戸籍を作るのどちらかにチェックしますが、婚姻中の姓を使うこととした場合には空欄にします。新しい戸籍を作るのは次の3つの場合です。

 

 新戸籍を作りたいと申し出した場合 ※これがチェック欄に該当します。

 元の戸籍が除籍となっていた場合

 離婚後も姓を変えず、結婚中の姓を使う事とした場合 ※この場合はチェック欄を空欄にします。

 

特に希望がなければ元の戸籍に戻ることとなりますが、本籍地が離れている場合にはパスポートを作成する時等の戸籍取得が煩雑になるというデメリットもあります。

 

 

婚姻の氏について

 

■ 旧姓に戻したい場合

離婚届提出後なにもしなければ、旧姓に戻ります。

 

■ 結婚中の姓を変えたくない場合

離婚届提出と同時又は3か月以内に「離婚のときに称していた氏を称する旨の届(戸籍法77条の2の届)」を提出することで、結婚中の姓を名乗ることができます。

離婚届提出の際に役所で伝えれば教えてくれますしスムーズです。この場合、役所で新しい戸籍が作成されます。

 

名前が変わることで、周囲に離婚が知られたり様々な理由から元の氏を名乗る方はいらっしゃいます。

 

3か月を過ぎると姓を変えられなくなるわけではありませんが、届出するだけでは足りず、家庭裁判所で姓を変える許可を得る必要があります。

この許可には「正当な事由」というのが必要で、簡単には変更することができなくなりますので、やはり3か月という期間には注意が必要です。

 

 

4.未成年の子の氏名

事前に決めた親権者の欄に未成年のお子さんの氏名を記載します。親権者はどちらか片方でなければなりません。

 

この届出をしてもお子さんの戸籍はそのまま移動しません。これはお子さんの姓はそのまま変わらないということでもあります。

どうしてもお子さんの姓と、旧姓に戻った方とのお名前を一致させたいような場合には、「子の氏の変更許可」を経たうえで、役所に戸籍への「入籍届」を提出する必要があります。

 

 

5.同居の期間

結婚をした年月でなく、同居を実際に始めた年月を記載します。

 

 

6.別居する前の住所

同居していた時の住所地の事です。

 

 

7.届出人

裁判による離婚の場合にはその申立人である一方が届出人となりますが、協議離婚の場合は両名の名前をき記載し、別々の印で押印します。

 

 

8.証人

協議離婚の場合には承認2名の署名押印が必要です。ご家族などで同じ苗字の方でも、別々の印で押印します。

成人であれば誰でもよく、家族でも構いません。とくに何か責任を負うような地位でもありません。

 

 

 

離婚届の根拠

離婚届の根拠は次の条文です。

 

民法

(婚姻の届出)第七百三十九条 婚姻は、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる

2 前項の届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。

(婚姻の規定の準用)第七百六十四条 第七百三十八条、第七百三十九条及び第七百四十七条の規定は、協議上の離婚について準用する。

 

戸籍法

第七節 離婚

第七十六条 離婚をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。

一 親権者と定められる当事者の氏名及びその親権に服する子の氏名

二 その他法務省令で定める事項

第七十七条 第六十三条の規定は、離婚又は離婚取消の裁判が確定した場合にこれを準用する。
② 前項に規定する離婚の届書には、左の事項をも記載しなければならない。
一 親権者と定められた当事者の氏名及びその親権に服する子の氏名
二 その他法務省令で定める事項

第七十七条の二 民法第七百六十七条第二項(同法第七百七十一条において準用する場合を含む。)の規定によつて離婚の際に称していた氏を称しようとする者は、離婚の年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。

離婚手続きの案内:神奈川区役所

 

知識ページ一覧

知識ページをご覧になりたい方はこちらから

会社登記の更正・抹消の登記

司法書士 廣澤真太郎こんにちは。司法書士の廣澤です 会社の登記を行った際、名前の漢字や住所を間違えてしまった場合などに、更正の登記をすることができます。 この記事は、そんなマイナーな登記について記載したものです。 目次1 会社登記の更正・抹消登記1.1 登記の更正1.1.1 必要書類1.1.2 登記に必要な費用1.2 登記の抹消1.2.1 訴えをもってのみ主張できる場合とは?1.2.2 必要書類1.2.3 登記に必要な費用2 登記申請のご相談2.1 知識ページ一覧   会社登記の更正・抹消登記 ...

ReadMore

土地を国に帰属させる制度の新設(令和5年4月施行)

司法書士 廣澤真太郎こんにちは。司法書士の廣澤です。 所有者のわからない土地の発生を予防する政策の一環として、令和5年4月から相続した土地を国に帰属させる制度が創設されますが、 現時点で公開されている情報の要点をまとめておきます。※後日、取り扱いが変更する可能性があります。 目次1 国庫帰属制度の概要1.1 申請できる人1.2 要件1.2.1 門前払いされる土地1.2.2 事案ごとに判断される土地1.3 審査の流れ1.4 負担金1.4.1 ① 宅地1.4.2 ② 田畑1.4.3 ③ 森林 1.4.4 ④  ...

ReadMore

昔の相続とその相続分まとめ

司法書士 廣澤真太郎こんにちは。司法書士の廣澤です。 この記事は、民法が何度か改正されたことに伴う相続分の変化について備忘録としてまとめたものです。ご自由にご覧ください。 目次1 旧民法が適用される場合1.1 例外1.2 特徴2 応急措置法が適用される場合2.1 特徴2.2 相続分3 新民法①が適用される場合3.1 特徴3.2 相続分4 新民法②が適用される場合4.1 特徴4.2 相続分5 新民法③が適用される場合5.1 特徴5.2 相続分6 知識ページ一覧   旧民法が適用される場合 明治31 ...

ReadMore

会社の承継と譲渡制限株式の譲渡について

司法書士 廣澤真太郎こんにちは。司法書士の廣澤です。 会社を承継するために、役員変更及び会社の所有者である株主も一緒に変更したいというケースについて、記事にしてみようと思います。 目次1 まずは事前に専門家に相談1.1 税理士への相談1.2 行政書士への相談1.3 司法書士への相談1.4 外国投資家に該当する場合は財務省に確認2 役員の変更3 譲渡制限株式の譲渡3.1 譲渡の流れ3.1.1 譲渡を承認する場合3.1.2 譲渡を承認しない場合4 最後に5 登記申請のご相談5.1 知識ページ一覧   ...

ReadMore

忘れていませんか?抵当権、根抵当権の抹消登記

司法書士 廣澤真太郎こんにちは。司法書士の廣澤です。 住宅ローンを完済し終えると、銀行から書類が届きますが、その中に登記書類が同封されていたことにお気付きでしょうか? 実務では、古い抵当権が残ったままになっているケースに遭遇することが非常に多いので、記事にまとめてみました。 目次1 自分で家の抵当権が残っているか確認する方法1.1 抵当権が残っている場合の記載1.2 抵当権が残っていない場合の記載2 抵当権は消さなければならないのか?2.1 抵当権を消さない場合はどうなるのか?3 抵当権抹消の費用負担は誰 ...

ReadMore

住所・氏名の変更登記の知識

司法書士 廣澤真太郎こんにちは。司法書士の廣澤です。   住所氏名の変更登記は、簡単なようでさまざまなバリエーションがあり、一つのミスが命取りになる登記です。 この記事は、備忘録としてよくあるパターンの取り扱いをまとめたものです。ご自由にご覧ください。 目次1 申請時の注意点1.1 大原則1.2 町名のみが変更1.3 区制施行1.4 住居表示実施1.5 受付年月日と住所変更日1.6 何度も住所移転1.7 過去の住所地への移転登記1.8 更正と変更1.9 共有者の住所変更1.10 表題部所有者の住 ...

ReadMore

遺言書の作成を司法書士に依頼するメリット

司法書士 廣澤真太郎こんにちは。司法書士の廣澤です。 この記事では、遺言書の作成をする際、司法書士に依頼して作成するというのは有効な手段の一つですが、 実際に司法書士にその作成を依頼することによってどんなメリットがあるかについて解説します。 目次0.1 遺言書の作成を司法書士に依頼するメリット0.1.1 法的トラブルの予防0.1.2 遺言の内容の有効性、正確性の担保0.1.3 遺産の正確な調査0.1.4 選択すべき遺言書の種類を決定0.1.5 証人の迅速な手配0.1.6 出張対応0.1.7 相続手続までま ...

ReadMore

古い仮処分、仮差押の抹消

司法書士 廣澤真太郎こんにちは。司法書士の廣澤です。 この記事は、古い保全命令の登記をいかにして抹消するかについて備忘録としてまとめたものです。   目次1 古い仮処分、仮差押の抹消1.1 仮処分、仮差押とは1.1.1 仮差押1.1.2 係争物に関する仮処分1.1.3 仮の地位を定める仮処分1.2 仮差押と仮処分の執行1.2.1 不動産の仮差押1.2.2 不動産の処分禁止の仮処分1.3 判決後の流れ1.4 どうやって古い仮差押・仮処分の登記を消すのか?1.4.1 1.取り下げてもらう方法1.4. ...

ReadMore

判決による登記手続き

司法書士 廣澤真太郎こんにちは。司法書士の廣澤です。 不動産登記は原則として共同申請によりますが、登記手続訴訟等における判決がある場合は単独で行うことができるものとされています。 この記事は、この判決による登記を深堀し、備忘録としてまとめたものです。 目次1 判決による登記1.1 判決による登記と単独申請2 判決による登記手続の際の注意点2.1 判決主文2.2 登記手続訴訟における権利2.3 被告と原告2.4 訴額と司法書士が対応できる範囲3 古い登記の抹消登記3.1 裁判所を利用した抹消登記手続の流れ3 ...

ReadMore

特例有限会社について まとめ記事

司法書士 廣澤真太郎こんにちは。司法書士の廣澤です。 この記事は、特例有限会社の構造について備忘録としてまとめたものです。 特例有限会社の定義については、次の記事をご覧ください。特例有限会社とはなにか?オアシス司法書士・行政書士事務所 目次1 特例有限会社の特殊な取り扱い1.1 みなし規定まとめ1.2 定款のみなし規定まとめ1.3 申請できない登記1.4 株式会社との登記事項の違い1.5 株式会社との細かい違い1.5.1 1.少数株主の規定等は適用されない1.5.2 2.特別決議の要件が加重されている(総 ...

ReadMore

 

HOME

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
Avatar photo

司法書士・行政書士 廣澤真太郎

【あなたのご自宅で、事前に明瞭な見積りを致します】 「報酬基準がわかりづらい」「事務所訪問の敷居が高い」このような依頼者様の声にお応えし、当事務所では本職自ら出張事前見積もりを実施しております。ぜひ、お気軽に一度ご相談ください。

-記事一覧, 離婚・財産分与

Copyright© オアシス司法書士・行政書士事務所 , 2023 All Rights Reserved.