兄弟姉妹の相続における必要な戸籍の範囲について

司法書士 廣澤真太郎
こんにちは。司法書士の廣澤です。

兄弟姉妹が亡くなり、その兄弟姉妹に子はおらず、ご両親もすでに他界しているようなケースでは、戸籍の収集がたいへんだということをご存知の方も多いのではないでしょうか。

この記事ではこのような相続のケースでどういった戸籍を収集すればよいのかをわかりやすく解説します。

 

[toc]

 

兄弟姉妹の相続における必要な戸籍の範囲

1.被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等

2.直系尊属である父、母の出生から死亡までの戸籍謄本等

3.直系尊属である祖父母の死亡記載のある戸籍謄本等

4.亡くなっている兄弟姉妹、出生から死亡までの戸籍謄本等

5.代襲者が亡くなっている場合には、その死亡記載のある戸籍謄本等

6.相続人全員の現在の戸籍謄本 

※重複しているものは一通で足ります。

 

 

事例をもとに検討してみましょう

次の事例をもとに必要な戸籍を考えてみます。

被相続人の長男Gが亡くなったケースで、長男Gには配偶者や子供はおらず、直系尊属も亡くなっているケースです。

この場合の必要な戸籍を先の例にあてはめて整理していくと、次のようになります。

 

1.被相続人である長男Gの出生から死亡までの戸籍謄本等

2.父E、母Fの出生から死亡までの戸籍謄本等

3.祖父母ABCDの死亡記載のある戸籍謄本等

4.亡くなっている二男Hの出生から死亡までの戸籍謄本等

5.このケースでは当てはまりません。

6.相続人甥J及び三男Iの現在の戸籍謄本

 

 

 

出生から死亡までの戸籍謄本の取得方法

この中で取得方法がわかりづらいのは、出生から死亡までの戸籍謄本等ですよね。

通常、亡くなった方1名様ごとに3~8通ほど必要になります。

 

戸籍謄本の取得は、いずれは一か所の役所で全て取得できるようになる予定みたいなのですが、残念ながら現段階では本籍地を何度も移していればその数、別々の役所で請求していく必要があります。

 

 

 

取得手順

まずは出生から死亡までの戸籍が必要な方の最後の本籍地の役所で出生から死亡までの戸籍を請求し、次に取得した戸籍からさらに前回の本籍地をわりだして出生から死亡までの戸籍を取得するという手順を繰り返します。 

 

この段階で古い戸籍を読み解く必要があり、抜け漏れがあるかどうかもご自分で判断をしていく必要がありますので、ご自分で収集したい方は専門書などを一冊お手元にご準備いただくのが良いと思います。

 

ただし、慣れてない方が戸籍を読み解くのは、正直難しいと思いますので、収集については最初からまとめて司法書士にご依頼いただいたほうが、余計な手間、労力をかけなくて済みます。

 

無料相談などで足りているかどうか判断してもらったとしても、次に相続人全員での遺産分割協議が控えていますので、出生から死亡までの戸籍取得については最初から司法書士に丸投げでお任せください。

 

 

その他相続手続きで必要になるもの

 

相続手続では、金融機関や年金事務所などの様々な機関で提出物を色々求められますが、典型的なものをご紹介しておきましょう。

1.上記のとおりの戸籍謄本等一式 (年金事務所等では6か月以内に発行されたもの)

2.遺産分割協議書

3.相続人全員の印鑑証明書 (金融機関等では3又6か月以内に発行されたもの)

4.亡くなっている方の住民票除票又は戸籍附票 

5.相続人の住民票

6.被相続人の死亡届

7.その他必要に応じて

 

 

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか。

 

兄弟姉妹の相続の場合、戸籍収集がたいへんだという理由がお分かりいただけたのではないでしょうか。

相続手続きに必要な公的書類収集をご自分でおこなうメリットは現段階の戸籍制度では、ほとんどないと思います。

 

実際の相続手続きにおいては、時間をかけて戸籍の取得後遺産分割協議書も作成し、ようやく各機関に提出したにもかかわらず、

何度も抜けもれを指摘されて平日に動き回るという事にもなりかねないため、お時間に余裕のない方や無難に手続きを進めることをご希望の方は、一度お近くの司法書士をお尋ねください。

 

以上、戸籍についてお悩みの方の参考になれば幸いです。

 

相続・遺言のご相談

相続に関連する業務内容一覧

  相続(不動産・預金・株式等) ↑↑ 戸籍謄本等の書類収集、遺産分割協議書などの書類作成、登記申請・預金解約などの相続手続き、財産調査や借金調査などをまとめてご相談になりたい方はこちら & ...

続きを見る

 

知識ページ一覧

知識ページをご覧になりたい方はこちらから

令和6年4月1日以降の不動産登記の取り扱い

司法書士 廣澤真太郎 こんにちは。司法書士の廣澤です。 この記事は、令和6年4月1日以降の取り扱いについて、備忘録としてまとめたものです。 令和6年4月1日以降の手続きの取り扱い 1.外国に住所を有する外国人又は法人の住所証明情報の取扱い 法務省民二第1596号令和5年12月15日通達 日本に住所のない自然人、法人の住所証明情報が変更されます。 対象者 ・外国に住所を有する外国人 又は 外国に住所を有する法人 ・所有権の登記名義人となる者の住所証明情報   住所証明情報 1.外国人  ① 登記名 ...

ReadMore

令和6年4月1日~ 相続人申告登記の制度開始

司法書士 廣澤真太郎 こんにちは。司法書士の廣澤です。 相続人申告登記の通達(法務省民二第535号令和6年3月15日)がでましたので、記事にしてみました。ご自由にご覧ください。 相続人申告登記とは 民法等の一部を改正する法律による相続登記の申請義務化(令和6年4月1日施行)に伴い、創設された制度です。   基本的には、期限内に相続登記を行えば良いため、現状、次のようなケースで、相続登記が行えない場合などに、活用することが考えられます。   ・相続人に非協力的な方がいて、登記申請が行えな ...

ReadMore

一歩踏み込んだ終活!エンディングノート、死後事務、財産管理等、任意後見、遺言書

司法書士 廣澤真太郎 こんにちは。司法書士の廣澤です。 この記事は、4人に1人が認知症とされる現代において、司法書士が終活に際して、お役に立てるサービスについて、ご紹介した記事です。 司法書士が終活に関してできること 司法書士は、生前対策だけでなく、その後の相続手続きについても日ごろから業務として行っている、法律事務のエキスパートです。 ・ライフプランノート(エンディングノート)の作成 ・各契約書や遺言書等の法的書類の組成、公正証書作成のサポート  ・その後の、相続手続き・遺言執行業務をまとめて依頼 &n ...

ReadMore

外国在住者が所有者となる場合の住所証明情報

司法書士 廣澤真太郎 こんにちは。司法書士の廣澤です。 この記事は、外国在住者が不動産を取得する場合の、住所証明情報について、備忘録として記載したものです。 通達 令和5年12月15日 外国在住者(個人)の住所証明情報 次のいずれかを住所証明情報とする。   1.本国等政府の作成に係る書面 + 訳文 登記名義人となる者の本国又は居住国(本国又は居住国の州その他の地域を含む。以下「本国等」という。)の政府(本国等の領事を含み、公証人を除く。以下「本国等政府」という。)の作成に係る住所を証明する書面 ...

ReadMore

株券の廃止手続き

司法書士 廣澤真太郎 こんにちは。司法書士の廣澤です。 この記事では、株券の廃止にあたっての手続きについて、記載していきます。 株券とは 株券とは、株券発行会社における株主としての地位を表した有価証券のことをいいます。 平成16年に株券の不発行が認められるようになり、平成21年以降は上場株券については、電子化され、発行されないことになりました。また、会社法施行以降は、株券不発行が原則とされています。   具体的には、次のような記載のある証券の事を指します。   株券記載事項 (株券の記 ...

ReadMore

増資の登記について

司法書士 廣澤真太郎 こんにちは。司法書士の廣澤です この記事では、増資の登記手続きについて解説していきます。   増資の登記 登記事項を変更した場合は、2週間以内に役員変更の登記申請を行う必要があり、これを怠ると、100万円以下の過料が代表者に課される可能性があります。 増資する日が決まっている場合は、速やかに登記手続を行いましょう。   増資の準備物 ご自身で進める場合  ・申請書 ・定款 ・就任承諾書 ・株主総会議事録、取締役会議事録、取締役の決定書 ・株主リスト ・資本金の計上 ...

ReadMore

役員変更登記(就任・退任)について

司法書士 廣澤真太郎 こんにちは。司法書士の廣澤です この記事では、役員の就任・退任の登記手続きについて解説していきます。   役員変更登記 会社の役員(取締役、監査役等)を変更した場合は、2週間以内に役員変更の登記申請を行う必要があり、これを怠ると、100万円以下の過料が代表者に課される可能性があります。 役員の任期が切れそうなとき(最長10年)や、役員を変更することが決まっている場合には、速やかに登記申請を行いましょう。   なお、会社役員と会社は委任関係にあり、従業員は雇用関係に ...

ReadMore

相続開始時の遺産の調査について

司法書士 廣澤真太郎 こんにちは。司法書士の廣澤です。 この記事では、相続手続きを行う際の、相続財産の調査方法を記載しています。 相続開始時の遺産の調査について 相続人が知らない財産は、意外と多くあります   遺産の調査は、亡くなった方の全ての財産を調べる必要があります。 銀行口座はもちろん、不動産、有価証券、生命保険や損害保険、車両、また、他人と貸し借りしているお金はないかといったことまで、ひとつひとつ調べなければなりません。 また、最近はインターネット上で取引ができ、通帳を発行しないタイプの ...

ReadMore

代表者(代表取締役等)の住所変更登記について

司法書士 廣澤真太郎 こんにちは。司法書士の廣澤です この記事では、代表者の住所変更登記について解説していきます。   代表者の住所変更登記 会社の代表者の住所を変更した場合は、2週間以内に代表者の住所変更登記申請を行う必要があり、これを怠ると、100万円以下の過料が代表者に課される可能性があります。 代表者(代表取締役等)の住所変更が決まっている場合には、速やかに登記申請を行いましょう。   代表者の住所変更登記の準備物 ご自身で進める場合  ・申請書   司法書士にご依頼 ...

ReadMore

本店移転登記について

司法書士 廣澤真太郎 こんにちは。司法書士の廣澤です この記事では、法人の住所変更(本店移転)登記について解説していきます。   本店移転登記 会社の所在地を変更した場合は、2週間以内に本店移転登記申請を行う必要があり、これを怠ると、100万円以下の過料が代表者に課される可能性があります。 本店を移転することが決まっている場合には、速やかに登記申請を行いましょう。   本店移転登記の準備物 ご自身で進める場合  ・申請書 ・株主総会議事録 ・株主リスト ・取締役の決定書、取締役会議事録 ...

ReadMore

 

横浜市の戸籍の郵送請求

この記事をかいた人

-相続・相続放棄, 記事一覧