離婚後の子の養育に関する民法改正、2024年5月に成立

離婚後の子の養育に関する民法改正、2024年5月に成立

2024年5月、離婚後の子どもの養育に関する民法改正が成立しました。この改正のポイントは、「離婚しても子どもの幸せと生活をしっかり守る」という点にあります。施行は2026年5月予定です。今回は主な変更点をわかりやすくまとめました。

 

1. 離婚後でも「共同親権」が選べるように

これまで離婚すると親権は父か母のどちらか一方が持つ「単独親権」だけでした。でも改正後は、協議や裁判で判断される「共同親権」が選べます。

どう決めるの?

協議離婚なら両親の話し合いで、合意できなければ家庭裁判所が子どもの利益を考えて判断します。

単独親権になるケース

DVや虐待の恐れがある場合や、両親で親権を行うのが難しい場合は、裁判所が必ず単独親権にします。

親権の行使

共同親権でも、食事、服装の決定、習い事、通常のワクチン接種などは一方だけで決めることができます。

 

2. 養育費の支払いをより確実に

養育費の不払いを防ぐ仕組みも新しくなりました。

法定養育費制度

 離婚時に取決めをしていなくても、離婚時から一定額の養育費(省令案ではこども1人あたり月2万円)を請求できる制度が新設されました

※これは暫定的なものであり、適切な額を別途協議することが推奨されます

給与の差し押さえが簡単に

養育費債権に「一般の先取特権」が付与されます。

これにより、公正証書などの債務名義がなくても、父母間で作成した私的な文書に基づいて、給与等の差し押さえが可能になります。

新制度はあるものの、依然として慰謝料や財産分与も含めた確実な履行を確保するためには、離婚協議書を公正証書にして債務名義としておくことが重要です

情報開示の強化

家庭裁判所が収入情報を求められるほか、家当事者に対して収入情報の開示を命じることができるようになります。

市区町村から給与情報を取得する手続きも使いやすくなります。

 

3. 財産分与のルールもアップデート

現在の離婚調停・裁判においても、慰謝料を認定するケースは減ってきており、財産分与が主流になりました。

 

請求期間が延長

離婚から「2年」だった財産分与の請求期間が、「5年」に延びました。

これに合わせ、年金分割の請求期限も「5年」に延長されます

分け方の原則

特別な事情がない限り、財産は「原則2分の1ずつ(対等)」で分けることが明文化されました。

 

4. 親の責務がはっきり

子どもを大事にする義務

親は子どもの人格を尊重し、健やかに育てる責務があります。親と同程度の水準の生活を維持させる扶養責務(生活保持義務)を負うことが明記されました

父母同士の協力義務

離婚しても互いに尊重し協力することが、子どもの利益のために必要とされています。

 

5. 親子や親族との交流も大事に

親族との関わり

必要な場合、祖父母などとの交流も裁判所が定められるようになります。

試行的交流

家庭裁判所の手続中に、親子交流を試しに行う「試行的実施」も可能になりました。

 

その他の改正事項

夫婦間の契約取消権の削除

夫婦間で結んだ契約を、いつでも一方的に取り消すことができる民法の規定が削除されました

離婚事由の見直し

 「強度の精神病にかかり回復の見込みがないこと」という裁判離婚の事由が削除されました

 

施行前の離婚でも変更できる可能性がある

この改正法は2026年5月までに施行されますが、施行前に離婚して単独親権だった場合でも、家庭裁判所に申し立てれば共同親権に変更できる可能性があります。

 

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