司法書士 廣澤真太郎
この記事は、令和6年4月1日以降の取り扱いについて、備忘録としてまとめたものです。
令和6年4月1日以降の手続きの取り扱い
1.外国に住所を有する外国人又は法人の住所証明情報の取扱い
法務省民二第1596号令和5年12月15日通達
日本に住所のない自然人、法人の住所証明情報が変更されます。
対象者
・外国に住所を有する外国人 又は 外国に住所を有する法人
・所有権の登記名義人となる者の住所証明情報
住所証明情報
1.外国人
① 登記名義人となる者の本国又は居住国の、政府の作成に係る住所を証明する書面
② 登記名義人となる者の本国又は居住国の、公証人の作成に係る住所を証明する書面 + パスポートの写し(原本証明あり、有効期限内・写真ページ)
③ 上記のうち、証明に必要な部分の訳文
2.法人
① 登記名義人となる者の設立準拠法国の、政府の作成に係る住所を証明する書面
② 登記名義人となる者の設立準拠法国の、公証人の作成に係る住所を証明する書面 + 登記名義人となる者の名称の記載がある設立準拠法国の政府の作成に係る書面等の写し等(原本証明あり)
③ 上記のうち、証明に必要な部分の訳文
2.相続登記の義務化に伴い、相続人申告登記の制度開始
法務省民二第535号令和6年3月15日通達
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3.不動産登記の申請情報及び添付情報の変更
民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)、不動産登記令等の一部を改正する政令(令和5年政令第297号)及び不動産登記規則等の一部を改正する省令(令和6年法務省令第7号)
(1)法人を所有権の登記名義人とする登記の申請について
法人を所有権の登記名義人とする登記、名称・住所変更の登記申請の際には、次の情報が追加で必要になりました。
① 会社法人等番号を有する法人・・・会社法人等番号
② 会社法人等番号を有しない外国法人・・・設立準拠法国(添付情報として、法人識別事項を証する情報)
③ 会社法人等番号を有しない(1)・(2)以外の法人・・・設立根拠法(添付情報として、法人識別事項を証する情報)
(2)海外居住者(自然人・法人)を所有権の登記名義人とする登記の申請について
海外居住者(自然人・法人)を所有権の登記名義人とする登記の申請の際には、次の情報が追加で必要になりました。
・国内における連絡先となる者の氏名・住所等の国内連絡先事項(添付情報として、国内連絡先事項を証する情報)
※国内連絡先事項は、個人・法人いずれでも可。
※法整備の時点では、不動産仲介業者や司法書士が想定されているようです。
(3)外国人を所有権の登記名義人とする登記の申請について
外国人を所有権の登記名義人とする登記や外国人の氏名変更登記の申請の際には、次の情報が必要になりました。
・氏名とローマ字氏名(添付情報として、ローマ字氏名を証する情報)
ローマ字氏名を証する情報
① 住民票の写し(ローマ字氏名が記載されているもの)
② 登記名義人となる者等が住民基本台帳に記録されていない外国人であって、旅券を所持している場合は、旅券の写し
③ 登記名義人となる者等が住民基本台帳に記録されていない外国人であって、旅券を所持していない場合は、上申書
(記載例)
ジョン・スミス(JOHN SMITH)
洪吉童(HONG KILDONG)
4.新築建物認定価格表の改訂
横浜地方法務局:不動産登記における評価額のない建物の課税標準について
5.令和6年4月1日以降の登録免許税の措置
横浜地方法務局:令和6年4月1日以降の登録免許税に関するお知らせ
軽減の期間が令和9年3月31日まで延長されました。
6.その他
・所有権の登記名義人の氏名にのみ、旧氏を併記の申出をすることができる制度開始
・所有権の登記名義人による法人識別事項(会社法人等番号等)の申出の制度開始
・登記事項証明書等における代替措置関係
上記はあまり実務に関係しないので、割愛します。
まとめ
相続人申告登記、ローマ字氏名、建物の価格改訂は、大きく実務に影響しそうなので、忘れないようにしたいところですね。
以上、参考になれば幸いです。
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