【放置厳禁】12年以上登記のない株式会社は「みなし解散」に?リスクと回避方法
「会社は存続しているはずなのに、法務局から通知が届いた」「長年登記を放置していたら、いつの間にか会社が解散したことになっていた」……。
このような事態を招くのが「みなし解散」という制度です。事業を継続しているつもりでも、一定の手続きを怠ると法律上「解散したもの」とみなされ、ビジネスに重大な支障をきたす恐れがあります。
みなし解散とは?対象となる法人
「みなし解散」とは、長期間登記が行われていない会社(休眠会社)を、法務大臣の公告と通知を経て、登記官が職権で解散の登記をする仕組みです,。
対象となるのは以下の法人です。
ポイント
株式会社: 最後の登記から12年を経過しているもの。
一般社団法人・一般財団法人: 最後の登記から5年を経過しているもの。
なお、特例有限会社については、みなし解散の対象にはなりません。
なぜ「みなし解散」が行われるの?
理由は次のとおり
1. 実体のない会社が登記上に残り続けることで登記の信頼性が失われるのを防ぎ、他社の商号選択の自由を確保するため。
2. 休眠会社の登記が、いわゆる「会社屋」による社会犯罪の温床となるのを防ぐため。
3. 登記事務の効率化・合理化を図るため。
「みなし解散」までの流れ
1. 公告と通知: 法務大臣が官報で公告を行い、対象となる休眠会社の本店所在地へ通知書が発送されます,。
2. 2カ月の猶予期間: 公告から2カ月以内に、「まだ事業を廃止していない」旨の届出をするか、役員変更等の登記を申請する必要があります。
3. 職権による解散登記: 上記の対応をとらなかった場合、2カ月の期間満了時に解散したものとみなされ、登記官によって職権で「解散」の登記がなされます,。
注意が必要なのは、この法務局からの通知は「発送すれば足りる」とされており、会社に届かなかったとしても解散の効果に影響はありません。
知っておきたい「過料(かりょう)」のリスク
みなし解散の通知が届いた際、慌てて届出や役員変更登記をしても、それだけで安心はできません。
登記を怠っていたこと自体が「登記懈怠(けたい)」や「選任懈怠」にあたり、裁判所から過料(行政罰としての金銭的制裁)を科される可能性が高いからです,。
通知を受けて届出書を提出しても役員変更登記を申請しても、どちらにせよ、過料に処せられることになります。
また、過料の対象は会社ではなく、代表取締役などの個人である点も大きな注意点です。経費で処理はできないということです。
もし「みなし解散」されてしまったら?
万が一、解散の登記をされてしまった場合でも、解散後3年以内に限り、株主総会(一般法人の場合は社員総会や評議員会)の特別決議によって、会社を継続させることが可能です。
ただし、継続の登記を申請する際には、改めて取締役等の役員を選任し、登録免許税(継続分3万円、役員変更分1万円など)を納付する必要があります,。
会社復活のために必要になりうる登記
・清算人の登記(原則は、解散時の取締役が清算人となる。代表取締役が死亡等で存在しない場合は、取締役全員が各自代表清算人になる。)
・継続の登記
・役員の退任登記(清算人就任の前提として、取締役がすでに退任している場合は、その退任登記が必要になる(昭和49年11月15日5938号民四課長依命通知))
・役員の就任登記
・機関設置の登記
参考
・会社法475条、476条
・解散の登記がされた後は、別途清算人就任等の登記を申請しない限り、代表者事項証明書、印鑑証明書及び電子証明書が発行されない(平成 27 年 9 月 7 日法務省民商第 104 号民事局長通達)
・みなし解散の場合は、株主総会で解散ができないので、定款に清算人の定めがある場合を除いて法定清算人となり、この旨の登記が必要となる(昭和 49 年 11 月 15 日第 5938号民事局第 4 課長依命通知)
※では、取締役全員が死亡している場合、裁判所で選任するほかないのか、又は、書面決議によって、清算人選任を株主総会で選任できるのか?という点には諸説ある
解散後の会社の状態
・みなし解散後の会社は、清算の目的の範囲内でのみ権利義務を有し、営業活動として取引行為を行っても、原則として当該行為は無効(継続後に追認はできる)。継続時から、権利能力が復活するが、権利能力は遡及しない。
※ただし、みなし解散後の会社からの主張はNG。清算人は、民法の無権代理人の責任の規定を類推適用して、同様の責任を負うことがある。
まとめ
「みなし解散」を防ぐ最も確実な方法は、役員の任期を把握し、定期的に役員変更等の登記を行うことです。
たとえ事業内容や役員に変更がなくても、株式会社であれば最長でも10年に一度(役員の任期設定による)は登記の更新が必要になります。
法務局から通知が届く前に、一度自社の登記記録を確認してみることをお勧めします。
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