司法書士 廣澤真太郎
この記事では、典型的なトラブルのパターンや、その対処法を紹介します。
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なぜ相続時にトラブルになるのか?
相続人間のトラブルは、どのような家族でも発生する可能性があります。
実際に当事務所でも手続きを進めている際に、突然、仲の良かった相続人間で意見が対立し、弁護士をご紹介したケースや、遺産分割調停を推奨して辞任したケースなど、様々な案件に遭遇します。
よくある誤解として「財産がたくさんある家庭の話では?」とお考えの方がいらっしゃいますが、統計では、裁判所で相続人同士の話し合いをすることとなったご家族の約8割は、遺産の額が不動産を含めて5,000万円以下です。
母数が違いますから、この統計の情報だけでは、資産の多い少ないでトラブルの確率に違いがあるのかどうかは定かではありませんが、少なくとも、財産の多い少ないにかかわらず、トラブルは発生すると考えてもよいでしょう。
主なトラブル原因
ここでいうトラブルとは、意見が対立し、一向に遺産分割協議が調わないことです。そして、トラブルになる原因は、基本的に人間関係によるものです。
主なトラブル原因の例
・相続人間の仲が悪い
・相続人同士が疎遠
・遺産に動産や不動産しかなく、分配が難しい
・相続人の知人や配偶者が話し合いに介入
・一方的な主張を繰り返すだけの人がいる
・感情的になってしまう人がいる
・暴力的な人がいる
・生前贈与や負担を通算した場合に、遺産分配につき不平等がある
・その他、相続人同士で何らかの不満がある
相続時には、遺産をどのように分配するのかについて、相続人全員の協力が必要です。上記を見ていただくと、なんとなくでも、協力を仰ぐことが困難であることが、お分かりいただけるかと思います。
このように、意見が対立して合意ができない場合は、相続人同士で弁護士をたてて交渉するか、遺産分割調停を利用して裁判所で決着をつけるという流れになります。
どのように対策すべきなのか?
トラブルは、後始末よりも前始末が大切です。そうすることで、労力も費用もストレスも大幅に抑えることができます。
ここでは、一般的な親が高齢であるといったケースの生前対策を想定して対策法をあげておきます。
1.家族で話し合いの場を設ける
相続トラブルが発生すると、相続人同士の関係もそこで縁が切れてしまうことがあります。これは、とても悲しいことです。
そうなる前に、生前の贈与のことや相続時の分配について、不満が募らないように、家族でしっかりとコミュニケーションをとっておきましょう。
2.財産の記録はすべて書き出しておく
エンディングノートを書いてもらい、財産は後で調査しやすいようにまとめてもらって、話し合いを事前にある程度、済ませておきましょう。
その他、推定相続人に支払った住宅購入資金、仕送り、贈与したお金、勝手に使われたお金などもあるのであれば、火種となるため、全てあとで清算できるように、根拠資料とともに記録を残しておきましょう。
3.遺言書を作成
相続人同士のコミュニケーションが難しいことが予測される場合は、公正証書遺言書が有効です。
法的に無効ではなく、手続利用できるだけの内容の遺言書を作成してもらうことができれば、相続時の負担を大幅に軽減できます。
ただし、遺言書があるがゆえにトラブルが発生することもあるので、作成時には一度、司法書士に相談してください。
とくに、財産に不動産がある場合は、司法書士が絡んでいないと登記利用できない場合もあるので、注意が必要です。
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4.司法書士に相談する
司法書士は、法律事務のうち、予防法務に特化している専門家です。実務では、ミスが一切許されず、少しのミスでトラブルが発生したり、多額の損害賠償を請求される可能性がある業務を、日常的に数万円~の報酬でリーズナブルに行っております。
トラブルにならないように、相続手続きを無難に進めていきたいといったお考えの方には、可能な限り揉めないように段取りをご提案し、サポートすることも可能です。
相続についてご不明な点がある方は、一度お気軽にお問合せください。
ご質問・見積りはコチラ
トラブルになった場合の決着方法
1.弁護士に代理交渉を依頼
相続人一人の味方になって、交渉について依頼することができます。
遺産の額によっては、かなりの報酬金額になりますが、調停をするよりも早く話がまとまる可能性が高いでしょう。
※弁護士以外の者が報酬を得て、紛争時に代理で交渉することは、犯罪です。依頼先にご注意ください。
2.遺産分割調停
話し合いがまとまらないときに、裁判所で第三者に助言、解決案の提示をしてもらい、協力してもらって決着をつける制度です。
弁護士のような法律の専門家が味方してくれるわけではないので、納得のいかない内容になることもありえますが、費用は数千円から利用できます。
裁判所:遺産分割調停
まとめ
トラブルになる前に、火種を回収し、対策を行っておきましょう。
上記のうち、遺言書の作成については、司法書士が介入していない場合、手続き利用できなかったというケースを散見しますので、よろしければ一度、司法書士にご相談ください。
以上、参考になれば幸いです。
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