こちらの記事は、お金の貸し借りについて、基本知識をまとめたものです。
お金を貸したけど帰ってこない!?お金を貸すなら最低限ここまでやろう
友人や家族から「少しお金を貸してほしい」と頼まれたとき、断りきれずに貸してしまった経験はありませんか?
「〇〇円くらいなら、まあいいか…」と気軽に貸したはいいものの、なかなか返してもらえず、相手に催促しにくいまま、うやむやになってしまうケースは少なくありません。
お金を貸すことは、人間関係に大きな影響を与えます。もしものトラブルを避けるためにも、お金を貸す前に最低限やっておくべきことをまとめました。
相手の情報を確認する
一時的なものであれば、仕方がないですが、
通常、お金を借りる人は、お金がないから借りるのですから、定期的にお金がない状態をつくりだしてしまう管理能力のない人である可能性があります。
返ってこないことを基本として、返ってこないときのあてについて考えておくべきです。
場合によっては難しいかもしれませんが、最低限、次の情報は調べておきましょう。
・そもそも継続的な収入が見込める仕事をしているか?
・職場に連絡がいくと困るような信用性のある仕事をしているか?
・家族に連絡がいくと困るような関係性か?
・預貯金口座はどこに保有しており、支店はどこか?
・不動産は所有しているか?登記はされているか?
・住所、氏名、連絡先の電話番号、実家や職場の電話番号や住所
支払いが遅れている相手の財産が一切わからないという状態は、絶対に避けましょう。
借用書を作成する
口約束だけでお金を貸すのは、最も危険な行為です。貸した金額や返済期日を明確にするためにも、借用書を作成しましょう。
借用書は法的な効力を持つ重要な書類です。以下の項目を必ず記載してください。
借用書の押印は、できれば実印で押印してもらい、印鑑証明書の原本を預かりましょう。
- 貸主と借主の氏名、住所、連絡先
- 貸した金額
- 返済期日
- 利息(設定する場合)
- 返済方法(振込口座も具体的に明記)
- 署名・押印
- 作成日
- 分割払いの場合は期限の利益の喪失
連帯保証人又は担保をとる
連帯保証人
金額が大きい場合は、連帯保証人を立てることも検討しましょう。
連帯保証人とは、借主に代わって返済義務を負う人のことです。連帯保証人がいることで、貸したお金が返ってこないリスクを減らすことができます。
ただし、連帯保証人になることのリスクを十分に理解している人を立てることが重要です。
担保
不動産を所有している場合などは、抵当権を設定し、返済が遅れたら不動産を競売にかけるという趣旨で担保をとりましょう。
抵当権を設定する場合は、司法書士に依頼して抵当権設定の不動産の登記を行いましょう。
金銭消費貸借契約を公正証書にする
お金の貸し借りを公正証書にすることも有効な手段です。
公正証書とは、公証役場で公証人が作成する公文書です。公正証書にすることで、借主が返済を滞らせた場合に、裁判手続きを経ることなく強制執行(差し押さえなど)を行うことができます。
公正証書を作成するには費用がかかりますが、トラブルを未然に防ぐための確実な方法です。
公正証書にする場合は、必ず次のような条件を満たすように手配します。ご不安な場合は、司法書士にご相談ください。
ポイント
・執行認諾文を含める
・交付送達を行う
公正証書を使って強制執行
公正証書を作成しておけば、今すぐに差押えができると誤解しやすい説明がなされていますが、
実際には、次のような手順・期間となるので、相当期間かかることを覚悟しておかなければなりません。
1.公証役場で、執行文を付与してもらう。送達がまだおこなわれていなければ、送達も行う。(1~2か月ほど)
2.裁判所で、強制執行の申立てを行う。財産がわからなければ、財産開示手続きを利用する。(2~6か月ほど)
上記手順は弁護士に代理してもらうと費用がかかるので、ご自身で行うか、書類作成を司法書士にご依頼になる方も多いです。
公正証書や担保が存在しない場合の強制執行
公正証書でない借用書の場合、差し押さえの前に、債務名義(強制執行するための書類)を獲得する必要があり、次のような方法が考えられます。
1.訴訟提起して判決・和解調書などを獲得する
2.次の返済が遅れたら一括返済という内容の公正証書を作成する
3.支払督促を行い、短期間で債務名義を獲得する
金額によっては、弁護士に依頼すると費用倒れになるので、ご自身で行うか、書類作成を司法書士に依頼する方法が考えられます。
まとめ
「お金を貸したけど返ってこない」というトラブルは、信頼していた相手との関係を壊してしまう可能性があります。
お金を貸す際は、以下の3つのポイントを最低限抑えておきましょう。
1.借用書を作成する
2.連帯保証人を立てるか、担保を取る
3.公正証書にする
もし、お金を貸すことに不安を感じるなら、たとえ相手が大切な人であっても、きっぱりと断る勇気も必要です。
金銭トラブルで人間関係を壊してしまう前に、しっかりとした対策をとるようにしましょう。
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