この記事は、後見人就任時に考慮しなければならない高齢の方や障害のある方が利用できる各種減免等の制度について、備忘録としてまとめたものです。
ご自由にご覧ください。(令和4年2月)
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医療
1.高額療養費支給制度
事例
医療費が高額になることが見込まれる場合
利用方法・効果
① 70歳未満の場合はあらかじめ「限度額適用認定証(又は限度額適用・標準負担額減額認定証)」の交付を受け、病院に提示することで窓口負担額を限度額に抑える事ができる。
② 70~74歳の場合は、限度額適用認定証は不要だが、受信時に「健康保険高齢受給者証」の提示が必要。
③ ①の交付を受けておらず、同一の月に一定額超えて医療費を支払った場合は、申請をすることで高額療養費を還付する事ができる。
対象者
74歳以下の国民健康保険加入者 (75歳以上の人は後期高齢者医療制度)
申請先
公的医療保険の加入先 (役所の保険年金課保険係など)
リンク
横浜市:高額療養費支給制度
2.限度額適用・標準負担額減額認定
事例
医療費が高額になることが見込まれる場合
利用方法・効果
入院時にあらかじめ「国民健康保険限度額適用・標準負担額減額認定証」病院に提示すると、入院負担額が減額され、入院時の食事療養費、生活療養費が支給される
対象者
国民健康保険限度額適用認定証
① 70歳未満 住民税課税世帯
② 70歳以上 現役並み所得者1・現役並み所得者2(所得区分)の該当者
国民健康保険限度額適用・標準負担額減額認定証
① 70歳未満 住民税非課税世帯
② 70歳以上 低所得1・低所得2(所得区分)の該当者
申請先
公的医療保険の加入先 (役所の保険年金課保険係など)
リンク
横浜市:限度額適用認定証の申請について
3.災害時の一部負担金の減額、免除、猶予
事例
被災したときや、病気や失業などの理由により医療機関等の窓口で一部負担金を支払うことが困難なとき
利用方法・効果
「認定を受けた証明書」の交付を受け、診療時に病院に提示することで一部負担金の減額、免除、徴収猶予してもらうことができる
対象者
74歳以下の国民健康保険加入者
申請先
公的医療保険の加入先 (役所の保険年金課保険係など)
リンク
横浜市:一部負担金の減免及び徴収猶予
4.無料低額診療事業
事例
低所得等経済的理由で診療費の支払いが難しい場合
利用方法・効果
市区町村の担当窓口で「診療券」を交付してもらい、病院で提示すると、無料又は低額な料金で診療をしてもらうことができる
対象者
医療機関ごとの基準を満たす者 (直接問合せが必要)
申請先
市区町村の担当窓口
リンク
神奈川県:無料低額診療事業~経済的な理由によって必要な医療を受けることが困難な方へ~
5.自立支援医療(精神通院医療)
事例
精神疾患があり、継続的な診療が必要な場合など
利用方法・効果
市区町村で「受給者証」を交付してもらい、病院で提示すると、自己負担割合が1割になる (有効期間1年。毎年更新が必要。)
対象者
精神疾患(統合失調症、気分障害、知的障害等)により、継続的な通院による精神療法や薬物療法の治療を受けている者
上記に加え、世帯所得が一定の額以下である者
申請先
市区町村の保健所、保健センター、区役所窓口(高齢・障害支援課)
リンク
厚生労働省:自立支援医療制度の概要
横浜市:横浜市自立支援医療制度
6.重度心身障害者医療費助成
事例
重度の障害のある人が、医療機関で診療をうける場合
利用方法・効果
市区町村で「重度障害者医療証」を交付してもらい、病院で提示すると、医療費の全額又は一部の助成を受ける事ができる。
対象者
市区町村により異なる。横浜はこちら
申請先
市区町村の保険年金課保険係等
介護・福祉
1.介護保険負担限度額認定
事例
介護保険施設に入所する場合
利用方法・効果
市区町村で「介護保険負担限度額認定証」を交付してもらい、介護保険施設やショートステイ利用時に提示すると、自己負担額を軽減することができる。
対象者
生活保護受給者等、一定の要件に該当する者 (横浜市)
申請先
市区町村の保険年金課保険係等
リンク
厚生労働省:介護・高齢者福祉
2.高額介護サービス費
事例
介護サービスの費用負担(自己負担1割の合計額)が一定額以上になることが見込まれる場合
利用方法・効果
同一の月に一定額超えて介護サービス利用料を支払った場合は、申請をすることで上限を超えて支払った利用料が払い戻しされる。 ※介護サービス利用後、約3ヶ月で市区町村から申請書が届く
対象者
介護保険被保険者
申請先
市区町村の保険年金課保険係等
リンク
横浜市:高額介護サービス費等について
3.障害福祉サービスの軽減措置
事例
障害福祉サービスの費用負担(自己負担1割の合計額)が一定額以上になることが見込まれる場合
利用方法・効果
同一の月に一定額超えて障害福祉サービス利用料を支払った場合は、申請をすることで上限を超えて支払った利用料が無料又は一部還付される。
その他、実費負担(入所施設の実費、家賃、通所サービス)についても軽減する制度がある。※詳細は市区町村の障害福祉担当窓口に聞く必要がある
対象者
障害福祉サービス利用者
申請先
市区町村の保険年金課保険係等
リンク
横浜市:利用者負担のしくみ
その他
1.一時的な給付金
上記のほか、住民税非課税世帯などには様々な一時的な給付金などがある
(例)横浜市:臨時特別給付金
2.障害者手帳
障害者手帳には3種類あるが、そのいずれも障害者総合支援法の対象となり、様々な支援を受ける事ができる。(発行は任意)
つまり、なんらかの障害により困難な社会生活を、経済的、物理的にバックアップしてもらうための証明書だと考えるとわかりやすい。福祉事務所や役所で交付申請を行う事ができる。
(1)身体障害者手帳
身体の機能に一定以上の障害があると認められた場合
(2)療育手帳(通称 愛の手帳)
児童相談所又は知的障害者更生相談所において、知的障害があると判定された場合
(3)精神障害者保健福祉手帳
一定程度の精神障害の状態にある場合
援助を受けられるものの例
① 各種費用の助成
医療費・日常生活の補装具等(車いす、義足、歩行器等)の購入、修理費用・自宅をバリアフリー化する際などのリフォーム費用などの助成を受けられる
② 各種税金の軽減
所得税、相続税の障害者控除などを利用できる ※障害者控除対象者認定書でも利用可能
③ 公共料金の割引
公共交通機関、公共施設の割引を利用できる
④ 就職、転職活動の援助
障害者雇用枠で就職活動をおこなうことができる
(事業者は障害者雇用促進法に基づき、一定の規模を超える場合には約2%以上、障害者の雇用をしなければならない。)
3.介護保険(要介護・要支援)認定
介護保険サービスを利用するには、事前に要介護認定申請を行う必要がある。要介護3以上でなければ特養に入所できないなど、施設入所時の条件になる。
区役所高齢・障害支援課や地域包括支援センター(地域ケアプラザ等)で申請を行う事ができ、ケアマネージャーなどの専門家によるケアプランが作成される。
神奈川県:要介護認定とは
横浜市:介護保険のあらまし
4.介護保険住宅改修・特定福祉用具関連
詳しくはこちら(横浜市)
神奈川県:高齢者施設の案内 PDF
横浜市:高齢・介護・地域包括支援センター PDF
参考:成年後見の実務
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