遺産整理業務全体像とその流れについて

司法書士 廣澤真太郎
こんにちは。司法書士の廣澤です。

司法書士に対し、相続開始後の手続きを任意財産管理人という立場でまとめてお任せいただくことができます。

遺産承継(整理)業務を当事務所にご依頼いただいた場合の手続きの流れをイメージしやすいよう具体的に記載しておきます。

 

相続手続きを当事務所にまとめてお任せいただく場合の流れをご紹介します

 

遺産承継(整理)業務の流れ

ケース

手続き全体の流れは案件ごとに異なりますので、この記事では、高齢の夫婦の夫が亡くなり、遺言もないため配偶者である妻Aさんと亡夫の兄弟が相続人のケースで、

「法律のことはわからないので、夫婦で築いてきた財産を夫の兄弟とどうやってわければよく、話合いをどうすればよいかもわからない。」と妻Aさんが当事務所にご連絡をくださった前提でお話します。財産は不動産・預貯金・株式・投資信託とします。

 

1.ご相談

妻Aさんから当事務所にご相談があったとしましょう。

まずは、面談日時を決めて打合せをします。具体的には詳しいご事情をお伺いし、登記のみご依頼になるのか、遺産整理業務として手続き全体をお任せになるのか等の打ち合わせを行います。

今回は、亡夫の財産の相続手続をまとめて当事務所にご依頼になったという事にします。

 

2.ご契約

登記のみのご依頼の場合には、とくに契約を交わす事まではしておりませんが、遺産整理業務をお任せになる場合には事前に着手金をいただいたり、長期間の手続きになる事が予想されることから、

まず妻Aさんとご契約をさせていただきます。面談日時当日の場合もありますし、後日郵送させていただく場合もございます。

最終的には相続人の方全員とご契約及び委任をいただいて手続きを進めていく事になりますが、この時点では正味の相続人が誰なのかということが確定しておりませんので、ご相談者様とのみ契約をするという流れになります。

 

3.相続人の確定

ご相談者様にご協力いただいたり、当事務所で職権取得するなどして戸籍収集を行っていき、戸籍を読み解いて相続人は誰なのかを確定させていきます。

戸籍を調査する過程で誰も把握していなかった相続人が発見される場合もあるので、相続手続きにおいては最も気を使う作業です。

見つかった相続人のご住所がわからない時は職権で相続人の方の公的書類収集して住所を当事務で確定し、郵送するなどしてやり取りしていきます。

この調査を行っている間にご主人の通帳から引き落としを行っている取引先などに相続開始の連絡をしていくのが良いでしょう。

金融機関から先に連絡すると口座が凍結されますので、先に相続開始連絡を行って支払いを止めて、最終的に金融機関に報告するのがベターでしょう。

例えば、相続開始後いきなり残高証明書を取得しようとすると口座凍結されますのでご注意下さい。

 

4.遺産の範囲の確定

遺産に何があるのかを具体的に調査し、財産目録にまとめていきます。

不動産…不動産の場合には役所に名寄帳を請求するなどして所有不動産に不動産に漏れがないかを特定しますが、ここは司法書士にお任せください。

預金…通帳や郵便物を確認します。通帳の記録により借金が見つかったり、連絡すべき取引先等の多くを把握できます。全くわからない時は一つ一つ金融機関に地道に照会します。

株式…公開されている株式であれば、定期的に送られてくる取引報告書や通知書等で存在が確認できます。未公開株式を持っているのであれば、バランスシートの純資産額から逆算します。

投資信託…株式と同様で、メールや郵送物などから存在を確認することができます。

いただいた情報をもとに当事務所で「財産目録・相続関係説明図」を作成します。

 

5.遺産分割協議(相続人同士の話し合い)

今回のケースですと、ご兄弟とは疎遠な場合も多いでしょうから、奥様のAさんがご希望であれば調査して判明したご住所宛にまずはお手紙を送ります。

ご連絡が取れたら電話にてご事情を説明し、ご兄弟がどうしたいのかを伺います。

当事務所では中立調整の立場での関与にとどめ、法定相続分以外の遺産分割方法をアドバイスしたり、どなたかの味方になって交渉していくような業務は行っておりません。

あくまで相続人の皆さんで納得のいく分け方をお考えいただきます。どうしても譲れない不動産があるような場合にお話合いが長引く場合もございます。

遺産の分け方が相続人の皆様でまとまったら、当事務所で作成した遺産分割案、相続関係説明図、財産目録、契約書、相続手続委任状などを皆様に送付し、署名実印押印いただきます。

 

6.相続手続き

ケース

分け方によっても手続きは異なります。今回は不動産、株式、投資信託は妻Aさんが引き続き所有、預貯金は法定相続分で分けあうという話合いにまとまったとしましょう。

 

不動産登記

まずは不動産登記を先に行うのがスムーズなので登記申請を当事務所で行います。登記は申請から2週間ほどで完了します。金融機関が複数社ある場合には法定相続情報一覧図をここで一緒に取得しておきます。

株式・投資信託

株式や投資信託を受け継ぐ場合、妻Aさんに新たに口座開設をしていただく必要があります。新たに開設した口座をお聞きしたのち、相続手続きを当事務所で代わりに各金融機関にて行います。

預貯金

預貯金についても相続手続きを当事務所で代わりに各金融機関にて行います。今回は法定相続分で預金を分配するので、いったん当事務所の財産管理用口座に預金を移し、相続人の皆様からいただいた振込先口座に当事務所報酬や実費、妻Aさんの立替金精算などを行った後の残金を法定相続分割合で分配していきます。手続きはここで終了になります。資料一式は妻Aさんに全てお返しします。

金融機関はその特性上、独自の文化、独自の内部ルールを設けていることがあり、法律で財産管理業務が定められているとはいえ、当事務所で遺産整理業務を行うことができない場合や相続人の皆様のご協力が必要な場面があります。その場合のお手続きはあくまでサポートに留まりまりますのであらかじめご了承下さい。

 

Q&A

財産目録に記載された財産に漏れがあったら?

遺産分割協議の内容に、「他の財産が見つかったら、後日協議する」と定めたり、「他の財産が見つかったら各相続人が法定相続分で相続する」とあらかじめ定めていれば問題になりません。ただし、漏れがないように財産についてはしっかり調査を行うことが後々のトラブルを防ぐうえでは大切です。

相続人と連絡がとれなかったら?

どうしても連絡取れない場合は家庭裁判所に不在者財産管理人の選任や、失踪宣告を申し立てで対応もできますが、現地行ってみるなどしてしっかり調べてみるのが一番後々のトラブルを防げるでしょう。

話し合いがまとまらなかったら?

どうしても意見が対立し遺産分割協議が成立しない場合には、裁判所において調停を行ったり、ADRという第三者を交えた話し合いを行うことも選択可能です。

意見対立がある場合には司法書士は業務を受任できませんので、いったん相続手続きの受任を辞退することになります。

相続税の申告はどうすればいい?

相続税が発生しそうなときは税理士を紹介します。司法書士は倫理規定により紹介料などを受け取れませんので、そういった面でも司法書士からの紹介は相続関連の事業者とは違い安心です。

 

まとめ

特に相続手続きで難しいのは、戸籍収集などの相続人調査と、遺産分割協議書や相続関係説明図といった法律知識が必要になる書面の作成についてでしょうか。

不動産があるのであれば相続による所有権移転登記も必要になりますから、手続きの全体はとても煩雑なものになります。

また、金融機関、法務局に何度も足を運ばなければならない相続手続きは、通常平日の受付となっておりますから忙しい平日に有給休暇をとって手続きに奔走しなければならないという手間があります。

当事務所に相続手続きをまとめてご依頼いただければそういった問題を全て解決する事が可能です。サービス内容にご不明点などありましたら、いつでもお気軽にご連絡下さい。

 

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