相続登記はしなくてもよいのか

司法書士 廣澤真太郎
こんにちは。司法書士の廣澤です。

相続登記とはなにで、そもそも必要なのか?についてわかりやすく解説していきます。

 

最初に結論をお伝えすると、相続登記はなるべく早くしておいた方がよく、しない事は先延ばしに過ぎないためデメリットのほうが多いです。

そもそも相続とは?

亡くなった方の財産や借金などの一切の権利義務を引き継ぐことです。

亡くなった方のことを「被相続人」と言います。

その財産等を引き継ぐ人のことを「相続人」といい、相続人になるであろう方のことは「推定相続人」と言ったりします。  

相続とは:Wikipedia

そもそも登記とは

主に土地や建物等の「不動産」に対してなされる、法務局に備え置かれた「登記簿」と呼ばれる記録簿への、所有者情報、不動産情報等の記録のことです。

登記しておくことで様々なメリットを享受することができる代わりに登録免許税を納めるという仕組みになっています。  

 

登記のメリット

登記のメリットとしてもっとも重要なものに「対抗力」があげられます。

対抗力とは、例えば所有権の登記が記録されている場合に、本当の持ち主とは別に「私の所有物だ!」と主張する人が現れたとしても、「これは僕の所有物です」と対外的に主張することができる効力を言います。

逆に言えば、Aさんが念願のマイホームを購入したのに登記をしていなかった場合に、私もその家を購入したので、私の所有物ですと主張するBさんが現れたとしましょう。

その場合、Bさんに有効な所有権の登記がなされている場合には、Aさんは自分の所有権であると対外的に主張することができません。

その不動産はBさんのものになってしまうわけです。Aさんは不動産を返してもらうことはできず、お金で解決することになります。 Bさんが嘘をついているとしても、裁判でその登記が無効であることを証明する責任はAさん側にあり、それなりの費用や手間がかかってきますから、登記制度というのは不動産取引の場ではとくに重要な手続きになります。  

 

相続登記とは?

一般的に、相続する財産等のうち「不動産」について亡くなった方の名義から相続人の名義に変更する登記手続きのことを言いますが、

正確には相続による不動産の所有権移転の登記のことを指しています。

被相続人が亡くなっても、とくに手続をおこわなければ、登記記録には被相続人の氏名・住所が記録され公示された状態のままとなりますので、ご自分や司法書士に依頼して相続登記を申請することになります。  

 

相続登記はしなくてもよいか

法律上必ずしなければならない規定はありませんが、しない状態で放置することはおすすめはしません

現在(2019年9月)相続登記については強制で行う仕組みを設ける議論についてはなされているようですが、現状では任意の手続きとなっています。

 

登記をしないデメリット

 

1.相続人の誰かが不動産の持分を勝手に売却できる

令和の相続法改正により、遺言や遺産分割による不動産の取得について第三者に対して、法定相続分を超える部分については対抗することができないという規定がおかれました。

想像してみてほしいのですが、実家の不動産名義人が何世代も前の方になっており、相続登記を長期的に放置しているケースで、相続人が生存しているのか誰なのかすらわからないという場合を想定しましょう。

この場合、知らない相続人が実家の法定相続分である持分を勝手に売却できてしまいます。売却されると立ち退き要求とまではいかないでしょうあが、それを購入した第三者にたいして実家の使用料を支払ったりしなければならなくなる可能性があります。

 

「共有持分 買い取り」とネット検索してみて下さい。お金に窮した知らない相続人が法定相続分である不動産持分を売却する可能性があるのは想像に難くないはずです。

不動産の持分を購入するのは通常は不動産投資家の方など不動産のプロの人達でしょうから、どのような要求をされるのかはわかりません。 相続登記をしないことはトラブルの火種となる可能性があるわけです。  

 

2.不動産が売却できない 

不動産取引の実務の世界では、被相続人名義の不動産がある場合に現在の相続人への名義変更登記が必要になります。

つまり相続登記をしなければ不動産を実質売却できません。登記のできない物件は市場にでても購入者がいないということです。

 

相続登記をせず長い時間放置していて名義変更手続きをしようとすると、とても煩雑な処理が必要になり、場合によっては専門家への報酬が100万円を超えるケースもあると聞きます。  

 

3.不動産に担保の設定ができない(不動産を担保にしてお金を借りられない)

借金を払えない場合に不動産を差し押さえして売却し、そのお金で借金の支払いを支払うという一連の流れをどこかで聞いたことがあると思いますが、 このように不動産を「担保」にしてお金を借りることができなくなります。

金融機関はその不動産に対して担保としての「抵当権設定登記」を行うのですが、その前提として相続登記をしなければ、抵当権設定登記を行うことができないためです。  

 

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