相続登記で気を付けるべき3つの事

司法書士 廣澤真太郎
こんにちは。司法書士の廣澤です。

この記事では、当事務所に相続登記(名義変更)をご依頼になったお客様に毎回必ずご案内している留意事項について解説しています。

相続登記をご自分で進める際にも同様の注意が必要ですから参考になさってください。

 

 

 

 

1.相続登記(名義変更)をすると、相続放棄ができなくなる

相続の単純承認とみなされ、後に相続放棄ができなくなります

 

単純承認・相続放棄についてはこちらから⇩

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相続放棄はおもに、相続した遺産が債務超過にある場合に一定の期間内に家庭裁判所に申し立てすることにより相続人の地位を放棄することができる制度です。

そもそも相続人にすらならなかったことになるので、プラスの財産もマイナスの財産もひっくるめて引き継ぎません。

 

しかし、相続登記を行うと登記簿謄本に内容が反映されますが、登記簿謄本は誰でも見ることができるので、自分達以外の人全員に「私は相続をする意思があります」と公にしている状態になります。

そのように公にされた情報を見て信じた人を守るためにも、原則として相続登記をした人は単純承認した扱いとされ、相続放棄ができなくなります。

 

相続登記申請へと歩を進める前に、相続放棄する必要はないのか?知人の事業者等の保証人になっていたりしないか?を調べておくことをおすすめしています。

 

 

 

2.遺言書が後で見つかると、手続きやり直しになる

遺言がない前提で手続きを進めて登記が完了してから数日後、遺言書が見つかったとします。

この場合、下記のように対応が分かれます。

 

A 相続人に不動産を相続させる遺言だった場合

遺言執行者が定められていなければ、相続人の話合いどおりで相続登記可能ですから、手続きをやり直しをする事態にはなりにくいでしょう。

遺言執行者が定められていれば、遺言執行者の同意は必要になりますが、遺言執行者が同意を拒否することは普通に考えたら滅多にないでしょうから、この場合も手続をやり直しする可能性は低いでしょう。

(遺言の内容によっては手続きがやり直しになる可能性はもちろん残りますが…)

 

B 相続人以外に不動産を譲渡する遺言だった場合

遺言書にこのように記載されていたとしましょう。

「預貯金は妻と長男で相続させる。しかし、横浜の不動産については知人のBに遺贈します。知人にはこの遺言と同じものを渡してあります。遺言執行者は知人Bとします。」

 

この場合、相続登記をしていたのであれば、その登記を抹消してから改めて所有権をBに移転させる登記手続きが必要になります。

つまり、相続登記自体間違えて登記してしまった事になり、結果的に全部なかった事にしてから手続きをやり直さなければならないという事です。

もちろん、Bが遺贈を断って「ご家族で不動産はお分けになって下さい。」と言ってくれればやり直しの必要性は無くなりますが、Bの良心頼りということになりますね。

 

遺言があるかどうか調べる方法はないのですか?

 

このような事態を防ぐために、公正証書遺言の検索を事前に行うことをおすすめしています。

具体的には相続人1名様から亡くなった方と関係性のわかる戸籍と本人確認書類をご持参のうえ、公証役場で遺言検索を窓口で依頼します。

当事務所にご依頼いただいた時は費用はかかりますが、代行で行うことも可能です。

遺言公正証書の作成における利用形態(遺言検索システム)
公証人は、昭和64年1月1日以後に公正証書で遺言をされた嘱託人の氏名、生年月日、遺言公正証書作成年月日等を、日公連に報告し、日公連は、これをデータベース化しています。これは、遺言者が亡くなられた後、相続人等の正当な利害関係人から、公証人(日本全国どの公証人でも差し支えありません。)に対し、遺言の有無等について照会があったときに、公証人が、日公連に遺言の検索を依頼し、その回答を受けることによって、速やかに照会者にこれを回答できるようにするためです。なお、遺言者の存命中は、本人以外の者からの照会に対しては、一切回答しません。照会者が遺言者の死亡の事実及び法律上の利害関係を除籍謄本等によって証明した場合に限り、照会者に対し、遺言の有無及び遺言公正証書を保存している公証役場等を回答することにしています。引用:日本公証人連合会

 

 

3.遺産分割協議0%と相続放棄はべつもの

相続放棄は先にお伝えしたとおりで、プラスの財産もマイナスの財産もひっくるめて引き継ぎません。

一方、遺産分割で財産を引き継がないという協議を行った相続人でも、債権債務は引き継ぎます

 

債権とは、例えば賃料債権、貸付金、売掛金債権等です。

債務とは、例えば借金、保証人の地位、買掛金などです。

 

これらは遺産分割協議の対象にならないので、法定相続分の割合で全員が引き継ぐことになります。

遺産を貰わないという協議をしても、権利義務は引き継ぐ地位にあるという事に注意が必要です。

 

例えば亡くなった方にお金を貸していた人にとっては財産を誰が引き継いだかは関係がないですよね。

相続人全員に「貸したお金を返してくれ」とそれぞれにその割合で請求できるという事です。

 

遺産分割についてはこちらから⇩

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

相続登記の手続きは調べながら進めればご自分でも行うことが可能ですが、

手続きの前提として法律的な判断をおこなう必要がありますので、無料相談でも構いませんから、一度は司法書士にご相談いたいただくことをおすすめします。

 

当事務所でも区役所(瀬谷区役所司法書士相談リンク)や横浜市役所での無料相談に参加していますから、そういった相談を利用するのでも良いでしょう。

少しでも相続手続きの参考になれば幸いです。

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