期限を守らなかった場合のペナルティ【相続編】

司法書士 廣澤真太郎
こんにちは。司法書士の廣澤です。

相続手続きにはたくさんの期限があるのは知っている。それでも話し合いがすすまなかったり、どうしても間に合わせられなかったりすることもある。

しかし、相続手続きの期限を守らない事でどのようなペナルティが課されるだろうか心配。そんな方向けのページです。

特に気を付けるべき代表的なものを3つ列挙しておきたいと思います。

 

 

相続手続きのうち気を付けておくべき期限とそのペナルティ3選

相続放棄する予定が熟慮期間【3か月】過ぎてしまった場合のペナルティ

相続開始を知って3ヶ月を過ぎてしまうと、相続放棄できなくなります。

上申書といって、相続開始を知って3か月経過しても相続放棄できなかった理由を書いた書面を裁判所に提出して相続放棄受理をお願いする方法や、

期限を過ぎてしまいそうな場合に延長を申立しておく方法がありますが、原則、裁判所に納得してもらえなければ相続放棄することができなくなります。

 

相続放棄することができなくなるということは、相続人になる事が確定するということです。

相続人の一人なのに「勝手に話合いや相続手続きはやっといてくれ」といって遺産分割協議に参加しない人がいたとしましょう。

その方が相続放棄をせず3か月経過してしまうと、他の相続人は勝手に話し合いや相続手続をするということは認められなくなります。

そのため、そのような場合には相続放棄をするよう他の相続人から急いでお願いするということが考えられます。

 

相続放棄は多額の借金があることが事前にわかっているような場合に利用される制度です。

期間内に家庭裁判所に必要書類を準備してから申し立てをしなければなりませんので、お困りの方は当事務所にご連絡下さい。

 

準確定申告期間【4か月】過ぎてしまった場合のペナルティ

準確定申告期間を過ぎてから申告をした場合、

加算税5~20%と、利息のような延滞税が発生します。※加算税は5か月以内であれば加算されないなど独特な計算方法なようです。詳しくは国税庁のページをご覧ください。

 

相続税の申告期間【10か月】過ぎてしまった場合のペナルティ

相続税申告期間を過ぎてから申告をした場合、

加算税5~20%と、利息のような延滞税が発生します。相続税自体が高額であり、その数%~数十%がペナルティとして上乗せして課せられると考えると恐ろしい金額です。※加算税は11か月以内であれば加算されないなど独特な計算方法なようです。詳しくは国税庁のページをご覧ください。

 

【無申告加算税】

各年分の無申告加算税は、原則として、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額となります。なお、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合には、この無申告加算税が5%の割合を乗じて計算した金額に軽減されます。(ただし、平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの(平成28年分以後)については、調査の事前通知の後にした場合は、50万円までは10%、50万円を超える部分は15%の割合を乗じた金額となります。)

(注) 期限後申告であっても、次の要件を全て満たす場合には無申告加算税は課されません。

1期限後申告が、法定申告期限から1月以内に自主的に行われていること。
2期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当すること。なお、一定の場合とは、次の(1)及び(2)のいずれにも該当する場合をいいます。

(1) その期限後申告に係る納付すべき税額の全額を法定納期限(口座振替納付の手続をした場合は期限後申告書を提出した日)までに納付していること。
(2) その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税又は重加算税を課されたことがなく、かつ、期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと。

国税庁:確定申告を忘れたとき

 

【延滞税の割合】

法定納期限(注1)の翌日から納付する日までの日数に応じて次の割合により延滞税が課されます。

[令和3年1月1日以後]

(1) 納期限(注2)の翌日から2月を経過する日まで
原則として年「7.3%」
ただし、令和3年1月1日以後の期間は、年「7.3%」と「延滞税特例基準割合(注3)+1%」のいずれか低い割合となります。なお、具体的な割合は、次のとおりとなります。
令和3年1月1日から令和3年12月31日までの期間は、年2.5%

(2) 納期限の翌日から2月を経過した日以後
原則として年「14.6%」
ただし、令和3年1月1日以後の期間は、年「14.6%」と「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合となります。なお、具体的な割合は、次のとおりとなります。
令和3年1月1日から令和3年12月31日までの期間は、年8.8%

国税庁:延滞税について ・ 延滞税の計算方法

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。相続開始後はやることがたくさんありますが、

特に気を付けるべき期間は次の期間制限です。

・相続放棄の熟慮期間 相続開始を知ってから3ヶ月以内 (裁判所HP

・準確定申告期間   相続開始から4カ月以内

・相続税申告期間   相続開始から10か月以内 

このうち、税理士が呼びかけを積極的に行っている成果なのかはわかりませんが、「相続開始後10か月以内」という期限に焦りを感じていらっしゃる方が多く相談にいらっしゃいます。

もちろんその期間も大切ですが、最も気を付けるべきは、相続放棄の熟慮期間である「相続開始を知ってから3ヶ月以内」という期間です。

相続税申告は最悪遅れても、相続財産の中からお金を支払えば済む話ですが、相続放棄の申告を怠ってしまうと、避けられたのにもかかわらず、残された故人の多額の借金の支払いを引き継がなければならなくなる恐れがあります。

いずれにせよ、相続手続きは早め早めに動いた方が良いというのは間違いありませんね。

あなたの相続手続きスケジュールの目安になれば幸いです。

 

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