こんな進め方はNG!?もめない遺産分割協議の進め方

司法書士 廣澤真太郎
こんにちは。司法書士の廣澤です。

相続手続きを行う際には、相続人の皆さんで遺産分割協議をおこなっていただきますが、

まれにその方法によっては、家族間でのトラブルに発展してしまうことがあります。

このような「争続」に発展しないためには、なにに気を付ければよいのでしょうか?

 

 

 

そもそものトラブルの原因って?

 

相続トラブルは「コミュニケーション不足」が原因のことが多いです。

人類の歴史と一緒ですね。コミュニケーション不足ほどに、争いの火種となるものはほかにありません。

 

遺産分割協議の時にコミュニケーションをとるって…当り前じゃない?

 

そうお考えになる方もいるかもしれませんが、実はここでいうコミュニケーションには、相続開始後からのみでなく、生前からのコミュニケーション不足も含みます。

そのため、家族の関係性や状況によっては意外とコミュニケーションをとることが難しいケースも多いのです。

 

 

✅ コミュニケーションが難しい状況の例 

・相続人同士が遠方に住んでいて話し合いをしづらい場合。

・一部仲が良くない兄弟がいる場合。

・生前に近くにいる相続人に対する被相続人の偏った意向が存在した場合。

etc…

 

 

生前からコミュニケーション不足により火薬がたまっていると、なんてことない一つの言動や行動が、争いの火種となることがあるわけです。

 

こうなってしまったら最後、相続人同士で弁護士をたて、時間と費用をかけて裁判所で決着をつけるという事になりますから、後の祭りです。

 

この記事では、火薬が積みあがっている状況で、いかに火種を起こさずに手続きを進めるかという視点で考えてみましょう。

 

 

 

 

 

こんな進め方は絶対ダメ!?やってしまいがちなNG行動

 

 

1.火種となりやすい行動・思考をする

先にあげたように「争続」はコミュニケーション不足から起こるすれ違いが主です。

 

しかし、生前からの家族間のコミュニケーション不足を相続開始時からいきなり補うことは、現実的には難しいですよね。

 

そのため、相続開始時には、次のような火種(怒り)となりやすいであろうコミュニケーションのNG行動・思考を理屈で抑えていきましょう。

 

 

① 相手に期待する

「動いてくれるはずだ。」

「こうしてくれるはずだ。」

「助けてくれるはずだ。」

 

このような期待は、失望にかわり、やがて怒りに変わります。

皆さんも会社などで一度は、勝手に期待して勝手に怒っている人を見たことはありますよね。

相手は存在するだけで何もしないものだと考え、期待それ自体が火種になってしまう事を防止しましょう。

 

 

② 思い込みをする

「あいつはこう考えている」

「あいつは絶対に被相続人の財産のために〇〇していたんだ」

 

よくよく考えてみると、相手の本性は、間近でその行動を観察・検証・実験でもしていない限りはわかりませんよね。

また、過去にひどい人間だったとはいえ、今この時も、人が亡くなっている時でさえひどい人間かどうかもわかりません。

 

また、その思い込みは相手に通常、なぜか伝わってしまいます。

信用されていない相手にたいして、信用に値する行動をとる事ができる人はそう多くはありませんよね。

一旦、推測や思い込みを全て捨てましょう。

 

 

③ 当然だと思う

「法定相続分でわけるんだから協力して当然」

「自分だけ遠方に住んでるんだから、費用を多く負担して当然」

 

これは期待にも通じますが、

人は自分のために生きているのですから、むしろ協力してくれたら「有り難う」

協力してくれたら「ラッキー」というくらいで構えておくのがいいかもしれません。

 

 

④ 感情的になる

「よくそんなことが言えるな!」

「気持ちを考えろよ」

 

個人的には、人間は動物なので感情は切り離しづらいと思いますし、感情的な人は魅力的だとも思いますが、法律的な話し合いだけは別ですね。

 

感情で話すと話がややこしくなることがあります。

 

とくに怒りは自己中心的で自分のことを守るための感情なので、怒っているときは気持ちがよいですが、理性的でなく支離滅裂になるので周囲の信用も失いますし、なによりその本人が後悔してしまいます。

 

相続人の中にひとりは必ず理性的な人物が必要です。

 

 

 

⑤ 価値観を押し付ける

「長男は田舎の不動産で、他の相続人は預金」

 

「昔から兄貴はそうだ!田舎の価値観をいつも家族に押し付けて!」となるかもしれませんね。

価値観を押し付けるというのは家族の問題になると、相当根深いものであることがあるので、もっとも火種になりやすいものかもしれません。

 

野球、政治、宗教、結婚、職業、ジェンダーなど価値観が多様化している現代では、口に出すだけで相手をイラつかせるものはたくさんあると思います。

 

 

 

2.話し合いの前に、遺産分割協議書をいきなり持っていくor送付する

 

話し合いの前に遺産分割協議書をあらかじめ持参するのはやめましょう。

 

遺産分割協議書というのは、

相続人同士で遺産をどう分けるか?という話し合いがまとまったら作成をし、実印を押印して手続きに利用する書面のことをいいます。

 

例えば「父は私に実家を相続させるって言っていたし、皆同意してくれるでしょ。」と考え、専門家には「相続人同士の話し合いはすでに済んでいる」と伝え、

あらかじめ遺産分割協議書を作成してから初めて相続人に話を持ち掛けたとしましょう。

 

すでに、なんとなくお分かりですよね。

 

もし、相続人同士の間で火薬が積みあがっていたとしたら、

「私を抜いて勝手に話を進めて、突然訪ねてきたと思ったら実印を押印しろって!? 生前からあなたは色々~〇◇✖悪口✖▼ 」と火薬が爆発することが容易に想像できます。

 

このような事態を防ぐためには、

いきなり遺産分割協議書を相手に提示するのではなく、話し合いが済んでから遺産分割協議書を提示することが大切です。

 

簡単なことですが、意外と専門家もやってしまう案内方法なので注意が必要ですね。

 

遺産分割協議の進め方の理想と現実

遺産分割協議の理想の進め方は、マイナスとプラスの財産の調査・照会を行い、

財産目録を作成し、残高証明書や評価証明等の財産額の証明書を準備して全員に明確に開示し、

相続人全員が一堂に会して遺産の分け方についての話し合いを行い、合意がとれたら遺産分割協議書を作成し、全員で署名押印を行うという流れででしょう。

さすがにこれは手間がかかりすぎますし、手順を省略する場合が多いと思います。

 

 

 

 

3.相続放棄をせまる

前提として次の知識を記載しておきます。

 

① 相続放棄 ・・・ 家庭裁判所に申し立てを行うことで、相続関係から離脱することができる手続き (多額の借金がある場合などに、相続人の地位を辞退する場合など)

② 遺産を放棄・・・ 遺産分割協議において、自分はとくに遺産は必要ありませんという意思を表明する事。

 

まれに、上記の①の相続放棄をするよう他の相続人にせまる方がいますが、これは基本的にはNG行動です。

相続人であるという事は、相続する権利があるという事ですから、それをどうするかはその本人の意思に任せるべきです。

 

また、相続放棄をしてしまうとむしろ相続人が増えるケースもあり、意向とは違う状況になることもあります。

ですから、一方的に他の相続人に相続放棄をせまるといった行いは絶対に辞めましょう。

 

あとから火種となることがあります。

もちろん、親族に借金が渡ることを防ぐためという趣旨である場合など、例外はあります。

 

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか。

火種については、意外と簡単に防止できることがわかりますね。

✅ 相手目線で考える

✅ 自分よがりにならない 

この2つだけキチンと守れば、最悪の事態はある程度防止できるのではないでしょうか。これは相続手続き以外にもいえることかもしれませんね。

 

できるのであれば、生前から家族とコミュニケーションをこまめにとっておくというのも、後々のトラブル防止には効果的です。

争うべくして争うという事もありますから、あくまでできる限り対策をとっておくというスタンスが良いでしょうね。

 

以上、相続についてお悩みの方の参考になれば幸いです。

 

 

 

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